「時短の科学」を読みました

内藤 耕 著の「時短の科学」を読んでみました。

リアルタイムで状況が変化するサービス業でも生産性を高めることができるのだと
感心しました。
主に要員配置(シフト)についてのノウハウが記されていました。

1.サービスはお客の要求と行動の共通部分

サービス業の場合は、お客の好みに応えること。
ITの場合の顧客満足度の指標はシステムの安定稼動であったり、納期を守って使えるシステムを納品したりでしょうか。

2.モチベーションが上がらないのは、お客が喜ばないことや必要性を感じない業務に時間をかけなければならない時。
モチベーションアップは顧客満足を上げる業務に集中でき、無駄な業務をしなくて済むようになること。
仕事の本質はお客に喜んでもらうことだから、社内運動会や飲み会などでコミュニケーションを良くするだけでは、
やる気は高まらない。

これはどの業界でもあてはまるのではないでしょうか。
私の場合は、お客に喜んでもらうよりも
任務達成して自身の成長(スキルアップやできることが増えた時)が実感できた時でしょうか。

3.「忙しい時にどれだけ少ない人数でまわすか」ではなく、「忙しくない時にどれだけ少ない人数でまわすか」
人はまとめて何かをすることが効率的と考えるがそうではない。

これは意外でした。
ただ、ITで個人レベルだとまとまった時間を確保して集中して仕事した方がはかどると思います。
客先常駐の場合は人員削減になるので、これは考えたくないですね。

個人の時短術ではなく、サービス業での要員配置(シフト)のお話でしたが、
他業界ではこんな工夫しているんだと知ることができて面白かったです。

無期派遣の派遣価格に占める給与の割合が60%なのは適正なのか

今回は無期派遣の派遣価格に占める給与の割合が60%なのは適正なのかを調べてみました。

1.無期派遣給与60%の出どころ

60%の出どころは、下記の厚生労働省発表の資料からです。

2019/03発表
平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000199493_00002.html

表7 派遣料金(その1)
(旧)特定労働者派遣事業
H29年度
無期雇用派遣労働者
情報処理・通信技術者 32,034円/日

表8 派遣労働者の賃金(その1)
(旧)特定労働者派遣事業
H29年度
無期雇用派遣労働者
情報処理・通信技術者 19,375円/日

マージン率
(派遣料金-派遣労働者の賃金)/派遣料金 = (32034-19375)/32034 = 0.395(39.5%)

賃金は100%-39.5%=60.5%

情報処理・通信技術者で無期雇用の場合、賃金は派遣料金の60.5%が平均値

というものです。

2.マージン内訳の計算

まず、事業報告書を確認します。

とある企業A社の場合

売上 6003849(千円)
売上総利益 1544342(千円)
販売管理費 1344172(千円)

でした。
売上総利益=売上-派遣原価(つまり派遣労働者の給与や社会保険料負担分)
販売管理費=会社の賃料、間接部門の人件費など

ここから、派遣原価は
6003849-1544342=4459507(千円)
売上に占める割合は
4459507/6003849=0.74277

となり、
売上総利益率は約25%で派遣原価の割合は約74%ということがわかります。
大手の派遣会社でも売上総利益率は25%で派遣原価の割合は75%という数字でした。

無期派遣のマージンに含まれるものは
1.社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)の事業主負担分
2.交通費(3万円として計算)
3.有給休暇(12日)負担分
4.待機リスク(1ヶ月/年)負担分
5.販売管理費(会社の賃料、間接部門の人件費など)

として計算します。
1~4は派遣原価に含まれるものです。

2.1 社会保険料の事業主負担分の計算

標準報酬月額=給与+交通費や経費などの手当ての合計
つまり、交通費が高いと保険料が上がるんですね。

事業主負担
雇用保険料率 標準報酬月額の 6/1000
健康保険料率(介護保険料込み) 標準報酬月額の 0.1187/2=0.05935
厚生年金 標準報酬月額の 0.0915
労災保険 標準報酬月額の2.5/1000

社会保険料負担計 0.15935

会社負担の社会保険料は給与の約16%ということがわかります。

2.2 交通費の計算

3万円として計算します。

2.3 有給休暇(12日分)負担分の計算

(1/20日)*12日/12ヶ月=0.05

有給負担分は給与の約5%ということがわかります。

2.4 待機リスク(1ヶ月/年)の計算

1年に1ヶ月も待機(稼働率1-(1/12)=91.67%)は
無いとは思うのですが、ひとまず1ヶ月で計算します。

1/12=0.08333

1+0.05+0.15935+0.08333=1.29268

派遣原価は給与の約1.3倍だということがわかります。

2.4 マージン率のまとめ

事業報告書より派遣原価率は0.74277
派遣原価は給与(交通費含む)の1.29268倍

でしたので、
0.74277/1.2855=0.5746
となり、
売上(派遣価格)の約57%が派遣給与となり、60%に近い数字となりました。

しかし、60.5%-57.5%=3%の差があります。
3%というと少ない誤差のように見えますが、
単価が90万だとすると
900000*0.03=27000円
となり結構な金額です。

実際には待機リスクの備えがもう少し少ないのかもしれないですね。

給与は単価の60%という数字は適正な数字だという事がわかりました。